オーディオ機器の電流位相(力率)制御と音質UP方法1

 店主がオーディオ機器とコンセント回路の相互に電源の悪影響を断つ仕掛けを考えてみました。聴感ではのびやかに透明感が向上してひずみが減ったと思いますが、よろしければお試しください。

-ご注意-

電源スイッチと電源トランスの間に回路を追加する必要があり、機器を改造する方法しかありません。
大事なことなので強調しておきますが、改造した機器はご自身の適切な管理下でご使用ください。
電源周波数に動作の依存があるので周波数の異なるエリアへの持ち出し使用は厳禁です。
ヘルツフリー版については改めてご紹介しようと思います。当店は事故の発生などの責任は負えません。

対象

 トランスによる電源回路を持つ誘導性負荷の機器。ちなみに(ACアダプタなどの力率制御のない)スイッチング電源で電流位相が進んでいるものはコンデンサの代わりに適当のコイル(電源トランス)を並列接続します。

動作の理屈

 コンセントからの電源はプラスマイナスの極性が正弦波という滑らかに入れかわる波形で表すことのできる電圧(交流100V50Hzまたは60Hz)が届いていることはご承知のことだと思います。ところが電気の流れかたは電圧に比例したものではありません。
ちょうど極性が入れかわる瞬間の0ボルトの時点に電流が0アンペアとなるタイミングの揃えをやってみました。

 

 まず、電気的に何が起こっているのか整理をするために、いま、たとえ話としてひきあいに出しますが白熱電球やオーブントースターなどは抵抗性負荷(単位Ω:オーム)というものですがコンセントに接続した電球やオーブントースターの消費電流は電源周波数に依存しない直線的な特性により交流電圧と等しいタイミングと形で流れます。ところが、オーディオ機器に内蔵の電源トランスはコイル(単位H:ヘンリー)という電気部品の性質をもっていて、電圧を基準にみた場合に電流が遅れる特徴があります。そこで、電流が進む特徴を持つコンデンサを使って、コンセントからみてオーディオ機器の電流が電圧と同じタイミングになるようにコンデンサの容量(単位F:ファラド)と抵抗成分を増減して調節するのです。
 回路図を参照してください。オーディオ機器内蔵の電源トランスの1次側に電流ヒューズをはさんでコンデンサと抵抗器または白熱ランプを接続します。コンデンサは許容電流を超えないようにする必要があります。
なお抵抗器の両端電圧をテスター(交流電圧計)で測定することでコンデンサを通る電流がわかります(電流=電圧÷抵抗値)。パワーアンプや真空管アンプはトランス(コイル)の容量がそれなりに大きいので電圧と電流のタイミングをそろえるためのコンデンサと抵抗器の容量も比例して大きいものが必要になります。

電圧と電流のタイミングの探り方

   

(力率計は使っていません。)オシロスコープと測定用の道具を工作しました。タイミングが正確にこしたことはありませんがわずかに電流が遅れているほうが安全です。オシロスコープの信号入力端子は商用電源に直かの接続をする必要があるのでオシロスコープ筐体は周囲から電気的に完璧に隔離の必要があります。また操作の時は絶縁手袋と防護眼鏡などを使用して、筐体と測定用道具(冶具という)の電極には素手で絶対に触れないようにするなど安全を確保しないといけません。
 20MHz帯域程度、最大5mV/div以上の電圧レンジの2現象オシロスコープx1台と10:1プローブx2本と測定用冶具x1台を使いました。
電流位相制御に必要な抵抗器はセメント抵抗20Wは必要です。これを超える場合、抵抗器の代わりに白熱ランプ40W-60Wを利用することもアリです。電力に耐えるコンデンサは動力用の進相コンデンサがありますが大きいのでオーディオに適しません。単品のMP(またはメタライズドポリエステル)コンデンサを検討します。耐圧は400V以上が望ましいです。小容量を並列に接続して容量UPもよいのではないでしょうか。今回の使い方は部品のデーターシートから特性を理解したうえでご自身の責任において部品を選定してください。

使い方

  1. オシロスコープの基本設定値(オシロスコープのプローブトリマ、フォーカス調整他、使い方はわかっているものとしますが)
    a.電源はまだ入れません。
    b.2つのプローブは10倍に設定します。
    b.電圧レンジは最大にしておきます。
    c.同期トリガはLINE(電源)にします。
    d.垂直モードは2現象CHOPにします。
    e.(オシロの)電源を入れてエージングをしておきます。
  2. 図に基づいて接続をします。
  3. 冶具のメインスイッチを入れます。
    a.オシロのCH1を電圧監視にしました。電圧波形がスコープ内に適切な表示をするよう電圧レンジとスイープレンジや表示位置を調節してください
    b.オシロのCH2を電流監視にしました。電圧レンジは最大のままにしてください。
  4. 冶具の出力スイッチを入れます。
  5. 被測定機器を負荷ありの動作状態にします。
  6. オシロCH2(電流監視)の電圧レンジを適切に合わせます。
  7. 時々被測定機器の動作状態により電流監視レンジをオーバーする可能性があるので電流監視中はオシロを壊さないよう注意してください。
  8. 被測定機器の電源プラグのそばで電流位相合わせの回路を製作、仮接続をして調整を追い込みます。
    a.大型アンプなどでば抵抗100オーム、コンデンサ10マイクロファラドでタイミングがそろいました。極端な低抵抗の使用はコンデンサの過負荷になります。抵抗でダンピングを効かせて電流波形が細く見えるようにします。
  9. 測定の片付けは基本的に逆手順です。
  10. 調整が完了した電流位相合わせ回路を機器に組込み改造をします。
  11. 再度電流位相をチェックして問題がなければ、監視をしながら試運転をします。
  12. 被測定機器に問題がなければ完成です。機器の見やすい場所に使用可能の電源周波数を明示します。

おわりに

店主は一足お先にオーディオ機器だけでなく、テレビ、インターネットモデム・ルータ、IH炊飯器、照明器具あらゆる宅内の電気機器の電流の位相を調整してみました。結果から言うとすごいの一言です。
どこかに電流位相のズレたものが入るだけで音色がかわるようです。

2019/01/21 改訂1
2019/01/14

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